仏壇閉眼供養の意義とは

  • コラム

### 仏壇閉眼供養と墓じまいの意味とは?

 

 故人を供養することは日本の文化の中で非常に重要な役割を担っています。仏壇閉眼供養や墓じまいは、その過程で行われる重要な儀式です。この記事では、仏壇閉眼供養と墓じまいの意義、故人をどのように供養し、思い出を大切にすることができるのかを考察します。

 とはいえ、特に若い世代の方や実家から離れた場所に拠点を構えている方は、実家を維持するということが非常に難しい世の中になっていると感じます。親が生活している間は良いですが、施設に入ってしまったり亡くなってしまったりすると相続したところで自分たちの生活の都合で、実家に戻ることが難しい・最初からそのつもりがないということもあるかと思います。

 そういう時に頭をよぎるのが仏壇やお墓の放棄(閉眼永代供養)でしょう。そうなった場合にどう考えれば良いかを示せればと思います。

 

### 仏壇閉眼供養・墓じまいの基礎知識

 

#### 仏壇閉眼供養とは

 

仏壇閉眼供養とは、亡くなった方の御霊を安置している仏壇に対して行う大切な儀式です。この儀式の目的は、故人に対する感謝の気持ちや、別れの心を整理することです。通常、遺族が集まり、僧侶に読経やお祈りをしてもらいます。有意義な時間を過ごす中で、故人との思い出や絆を再確認し、心の整理を図ることができます。

 

仏壇閉眼供養は、単なる儀式ではなく、遺族にとって精神的な負担を軽減するための重要なステップです。供養を行うことで、故人の魂が安らかに眠り、遺族の心も穏やかになります。特に、故人との思い出を共有することで、心の中に生き続ける存在となるのです。

 

#### 墓じまいの意義

 

墓じまいは、故人の墓を整理し、再配置や納骨堂などの別の場所に移すための儀式です。この行為は、一般的には経済的な理由や、将来的な負担を減らすために行われることが多いです。特に、時代の変化とともに、家庭の事情が変わる中で、墓じまいを考える人が増えてきています。

 

墓じまいは、単に物理的な整理だけでなく、心の中でもリセットを促します。故人に対する気持ちを整理し、新たに思い出を作り直す機会ともなります。墓じまいを行うことで、遺族は故人への感謝の気持ちを再確認し、心の整理をすることができます。

 

### 墓を片付けて納骨堂を利用する

 

#### 納骨堂の利点

 

納骨堂は故人を安置するための選択肢として注目を集めています。墓地の管理や維持が不要で、様々な便利なサービスが受けられることから、多くの人が納骨堂を選んでいます。通常、納骨堂には温度管理や湿度管理がなされているため、遺骨がより良い環境で保管されます。また、継承者がいない場合や、遠方に住む遺族にとっても管理が容易です。

 

納骨堂は、生活の方式に合わせた選択肢として非常にふさわしいと言えるでしょう。そのため、「お墓を守ることができない」と心配している方には安心感を与える存在となっています。さらに、納骨堂には立地の良い場所が多く、訪れやすいという点も大きな魅力です。

 

当山の納骨堂においては、返還可能な保管供養区画と、地下の返還不能の永代合葬区画を用意しております。

 

#### 納骨堂への移し方

 

墓を片付けて納骨堂に移す際の手続きについても知識を持っておくことが大切です。墓じまいを行うためには、まずは故人の埋葬地の管理者への連絡が必要です。管理者に事情を説明し、許可を得ることが重要です。次に、移設作業を行うための業者を選定し、契約を結びます。業者には、葬儀社や専門の墓じまいサービスが提供されている会社があります。作業が終わったら、納骨堂に対して納骨の手続きが必要です。この時点で、納骨堂の選定や契約も行うことになります。

 

納骨堂への移転は大きな決断ですが、この過程を経て故人との思い出が新しい形で息づくことでしょう。思い出を大切にするためには、しっかりとした準備が必要です。

 

### お坊さんを呼んで法事を行う

 

#### 法事の流れ

 

お坊さんを呼んで法事を行うことは、故人を供養するための伝統的な方法の一つです。法事の流れは、一般的に以下のようになります。まず、僧侶への依頼から始まります。日程を決め、どのような儀式を行うかを打ち合わせます。そして、準備が整った週末や祭日などに法事を行うことが一般的です。

 

法事当日は、参加者が集まり、僧侶による読経が始まります。この際、故人のために花やお供え物が捧げられます。法事の後に、参加者同士で故人の思い出やエピソードを語り合う時間も重要です。故人との思い出を共有することで、心の中でその存在が再確認されます。

 

法事は単なる儀式にとどまらず、参加した人々にとっても、感謝の気持ちを新たにする機会となります。故人の思い出を大切にし、共に心を通わせる時間を持つことは、心の健康にもつながります。

 

#### 法要の意味

 

法事を行うことは、遺族にとって単なる礼儀作法ではなく、心の浄化を促す行為です。故人への感謝の気持ちや、思いを込めることで、心の中にあるさまざまな感情が整理されます。また、法事を通じて自身の生き方や考え方を見つめ直す時間にもなります。

 

法事は、遺族にとって故人との絆を再確認する大切な儀式です。この場で、故人の思い出を語り、共有することで、感情が整理され、悲しみを乗り越える助けとなります。法事は年中行事として行われ、その度に新たな感謝の気持ちを持つこととなります。

 

### お坊さんを呼ばずに法事を行う方法

 

#### 自宅での法事の準備

 

お坊さんを呼ばずに法事を行いたい場合も多くなっています。それは、経済的な負担を軽減したり、自分たちのペースで行いたいという希望から来るものです。自宅で法事を行う際の準備には、まず祭壇の設置やお供え物の用意が必要になります。参列者が集まる場合は、椅子やスペースの確保も考慮しましょう。

 

祭壇には故人の写真や位牌を飾り、花や食べ物、お酒などを供えます。故人を偲ぶような雰囲気を作ることで、心を込めて供養することができます。このように、自宅での法事は、個別のスタイルや思いを反映することで、より深い供養の場となります。

 

#### 簡単にできる供養の方法

 

お坊さんを呼ばない法事の場合でも、心を込めた供養は可能です。供養の方法には、手を合わせて故人を思うことも含まれます。特に、香を焚いたり、故人が好きだった音楽を流したりすることで、故人との絆を再確認できます。

 

また、家族や親しい友人と集まり、故人の思い出を語り合うことで、温かい雰囲気を作り出すこともできます。こうした行為は、心の痛みを和らげ、故人との思い出を大切にする機会となります。供養は必ずしも形式にとらわれるものではなく、自分たちのスタイルで行うことが重要です。

 

### 結論

 

故人を供養することは、私たちにとって大切な行為です。仏壇閉眼供養や墓じまいを通じて、思い出を大切にし、心を整えていくことが重要であることを再認識しましょう。供養のスタイルは多様であり、各家庭ごとに異なる形を持ちます。供養の方法を選ぶ際は、自分たちの気持ちに寄り添い、故人への思いを大切にしていきましょう。

 

自分たちの経済状況や、実家の管理など心に余裕のあるうちに相談を進めておくことが重要です。その考え方の一助となれば幸いに存じます。